一般不妊治療(タイミング法・人工授精)

人工授精(AIH)

人工授精を正しく理解するために

キーワードその1 「夫の精子を子宮内に確実に送り込む治療法」

■専用の器具で子宮内に精子を送り込みます
人工授精とは、夫の精子を子宮の中へ確実に送り込む治療法です。人工授精の場合、精子が女性の体内に進入するプロセスは通常の性行為とは異なりますが、その後の受精と着床については自然な経過で妊娠が成立することを期待します。

キーワードその2 「主に軽度の男性不妊が対象になる」

■人工授精の対象になるのは…
□タイミング法=通常の性交では妊娠しにくいケース
□男性因子
★軽度の男性不妊の場合
精子数が少ない、精子の運動性が低いなど軽度の造精機能障害があると、通常の性交では子宮の中に到達する精子数が少なく自然妊娠は難しくなります。このため、確実に子宮内に精子を送り届ける人工授精の対象になります。
★性交障害・射精障害
性交障害はED(勃起不全)のことです。射精障害は主に腟内への射精が難しいことをいいます。これらの場合も人工授精の対象となります。
□女性に頸管粘液不全がある場合
子宮頸管から分泌される頸管粘液の量が少ない、あるいは頸管粘液の性状が悪いと、子宮の中に入る精子数が少なくなります。このように女性側の条件によっても人工授精の対象になります。

人工授精の実際

■精子洗浄濃縮法は必須の準備です。
人工授精では、射精精液をそのまま使用することはありません。自然な性行為では精液の大半は外にこぼれ、女性の子宮に進入するのは元気な精子だけです。人工授精ではこの自然なプロセスを再現するために、精液を人工的に処理する精子洗浄濃縮法を行います。また、元気な精子だけをピックアップして受精率を高めることも、精子洗浄濃縮法の重要な目的です。

■排卵モニタリングは必須です。
排卵モニタリングにより、排卵時期を正確に予測して的確なタイミングで人工授精を行います。具体的には、経腟超音波検査で卵胞の発育を観察し、合わせて尿中LH(黄体形成ホルモン)または血中LHを測定します。LHサージ(排卵直前にLHが大量に分泌される現象)を確認、またはhCG注射の翌朝に人工授精を行います。

人工授精と排卵モニタリング~自然周期・クロミフェン周期~

人工授精の手順

人工授精とは パーコール二層法
人工授精とは パーコール二層法

●人工授精(AIH)は、ご主人の精子を人工授精用チューブで子宮内に注入する方法です。

●人工授精は毎周期、治療を受けられるメリットがあり、当院では、外来診察でいつでも、短時間で受けることができます。

●卵巣刺激法及び排卵モニタリングによって、実施のタイミングを決めます。

●精液をピュアセプションで処理し、元気な精子を集めて子宮内に注入する精子洗浄濃縮法を採用し、これによって、人工授精の成功率は高くなります。

パーコール法は元気な運動精子を回収する方法です

●パーコール法は、精液から雑菌を取り除いて洗浄しながら、元気な精子だけを濃縮する方法です。
●従来使用されていたパーコールの使用中止に伴い、当院では「ピュアセプション」を用いています。ピュアセプションは、ART専用に開発された親水性シランが共有結合したコロイド状シリカ粒子です。
●パーコール二層法では、密度の違うピュアセプションを二層に重ね、そこに精液を入れて遠心分離器にかけます。元気のよい精子だけが管の底に沈殿して回収できます。

人工授精が有効なご夫婦は5~6周期で妊娠します
●人工授精には毎周期受けられるメリットがあります
人工授精は身体的・時間的・経済的な負担が比較的少ないため、毎周期受けられるメリットがあります。しかし、不妊症の原因によっては、人工授精が有効な治療法である場合と人工授精では妊娠が難しいご夫婦がいるのも事実です。

●人工授精が有効なご夫婦の多くは3周期までに妊娠します
人工授精では3周期目までに妊娠するケースが多く、ここまでに妊娠しない場合、とくに5~6周期目以降では妊娠率は大きく低下します。このため、人工授精を5~6回繰り返しても妊娠しない場合には、第3のステップアップである体外受精・顕微授精を選択肢として考慮することが賢明でしょう。というのは、ここまでに妊娠しないご夫婦の場合、人工授精ではクリアできない不妊原因が隠れている可能性があるからです。

人工授精の妊娠成功率(当院の場合)
元気な精子を確保するパーコール法(当クリニックでは二層法を採用)によって、人工授精の妊娠成功率は周期当たり約7~8%まで上昇し、5~6周期まで行った場合の妊娠成功率は約25%になります。

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