初めての方へ(不妊症の基礎知識)

不妊症の検査項目

目的を理解して検査を受けるために

不妊症の検査項目、とくに初診時の検査では不妊症の原因だけでなく、基本的な健康状態を調べる目的もあります。検査項目や目的、検査時期などをきちんと理解した上で受けるようにしましょう
「不妊症Q&A 検査」を合わせて読んでください。

女性の検査項目(当院の場合)

初診時の検査

■経腟超音波検査
子宮や卵巣を至近距離から観察できる必須検査です。超音波検査用の細い器具を腟内に挿入します。モニター画面に表出された超音波画像を解析して、子宮や卵巣の異常の有無を診断します。

■子宮腟部細胞診
子宮頸がん発見のための必須検査です。専用の細い綿棒のような器具を挿入し、採取した細胞を観察します。結果は通常約1週間後になります。

■頸管クラミジア抗原検査
検査の時点でクラミジアに感染しているかどうかを調べる必須検査です。検査用の細い綿棒で腟分泌物を採取して、クラミジア抗原の有無を調べます。結果は通常約1週間後です。

■抗精子抗体検査(精子不動化抗体検査)
最近は精子不動化抗体検査ともいいます。妻が精液によって感作される(抗精子抗体を産生する)ことによる不妊で、この検査は、精子の動きを不動化する抗体があるかどうかを調べる必須検査です。

■一般血液検査(血算・生化)
体の健康状態全般を把握するために行う基礎的な検査です。
★血算(血球算定):血球は血液中に含まれる固形成分である白血球、赤血球、血小板のこと。血球数を調べると、貧血や感染、出血傾向の有無などがわかります。
★生化(生化学):生化学検査では血液の液体成分(血漿)を分析します。主に肝臓や腎臓などの内臓系に病気がないかをチェックするための基礎的な検査です。

月経周期に合わせて行う検査

■ホルモン検査
下記のホルモン検査はどれも排卵障害の有無を知るために欠かせない血液検査です。

★LH(黄体刺激ホルモン) ★FSH(卵胞刺激ホルモン)
LH・FSHは間脳下垂体から分泌されて、卵巣に刺激を与えるホルモン。排卵障害があるかどうか、排卵障害がある場合にはどこに問題があるかを知るために欠かせない検査です。

★TRHテスト(PRL:プロラクチン)
プロラクチンが過剰に出ると排卵障害の原因になります。TRHテストはプロラクチン負荷テストのことで、プロラクチン量を正確に測定するために大事な検査です。

★E(エストラジオール) ★P(プロゲステロン)
卵巣から分泌される性腺ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの分泌量を調べます。卵巣機能のチェックに欠かせない検査です。

★テストステロン
テストステロンはアンドロゲン(男性ホルモン)のひとつです。女性もテストステロンが分泌されていますが、過剰な場合には排卵障害の原因になります。多嚢胞性卵巣症候群が疑われる場合に行う検査です。

■超音波卵管疎通検査
子宮内腔および卵管が通っているかどうかを知るために必須の検査です。この検査では、子宮の入り口からチューブを子宮内に挿入し、そこから微小気泡を含む10%糖液を静かに注入し、カラードップラー経腟超音波で、子宮内腔・卵管の疎通性を観察します。
不妊症Q&A 検査(女性)を参照ください。

■フーナーテスト
精子と子宮頸管粘液との適合性を調べる検査であり、性交後検査として知られています。排卵推定日の性交後に、子宮頸管粘液内の運動精子を調べます。

卵管疎通検査やフーナーテストで妊娠するのは何故?

●不妊症の検査は治療につながることがあります
不妊症の検査の大きな特徴は、治療につながる点です。

★フーナーテスト
フーナーテストでは、医師が排卵時期を予測した上で性行為をもってもらったあと、検査を行います。つまりフーナーテストはタイミング法でもあるのです。フーナーテストで妊娠する方がいることも納得できますね。

★卵管疎通検査
卵管疎通検査には、超音波断層法と通水法を組み合わせた超音波卵管疎通検査の他、子宮卵管造影法、卵管通気法、卵管通水法があります。いずれの検査法でも、子宮腔から卵管へ一定の圧がかかります。卵管に狭窄や軽い詰まりがあって妊娠しにくい場合、この過程で狭窄や詰まりが解消して卵管の通過障害が改善することがあります。というわけで、卵管疎通検査のあとに妊娠することもあるのです。

抗ミュラー管ホルモン検査は卵巣年齢を調べる血液検査です。

不妊症の検査では卵巣年齢を調べることが必要な場合があります。卵巣予備能の評価においては、これまではFSH(卵胞刺激ホルモン)が測定されてきました。しかし最近では、抗ミュラー管ホルモン値(AMH値)が、卵巣予備能を知るマーカーとして注目されるようになってきています。

当院においてはご希望の方、必要と思われる方を対象に、AMH検査を実施しております。なお、AMH検査には月経周期に関係なくいつでも受けられるメリットがあります。

男性の検査項目(当院の場合)

初診時の検査

■精液検査

精液検査の正常値 ●WHO 2010年による

精液量 1.5ml 以上
精子濃度 1,500万 /ml 以上
pH 7.2以上
運動率 前進運動精子が40%以上。または高速直進運動精子が32%以上
正常形態精子率 4%以上

*検査は、3~4日禁欲してから受けます。

精液検査の結果は疲労やストレスで変動します
女性の場合、精神的なストレスが強かったり過労だったりすると、月経不順になることはよくあります。いつもは排卵しているのに一時的に無排卵になることもあります。同様に、男性の造精機能も疲労やストレスの影響を受けます。このため、一回の精液検査の結果が悪くても落ち込まないように! このような場合には再度精液検査を行います。

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